オフ車選びについて考えてみました
今回は、真面目に、オフ車選びについて語っていきたいと思います。
前回、真面目にスタンディングとフロントアップについて書きました。
これが思いのほか、見ていただいたようでして、早速、質問をいただいたりしたんですね。
実はぼくの周りにもオフ車選びをされている方がいるんですが、一言で足りる説明が出来ずにいるんですね。
ですので、そういう方々に見ていただくことで、しっかり狙い目のマシンを選んでいただきたく思うんですね。
オフ車選びを間違えると・・・
オフ車選びを間違える・・・というのが、どういうことか?なんですが、およそ以下のことかなと感じています。
- 乗りたい時に乗れない。
オンロードツーリングに行きたいのに、レーサーを買ってしまったため、ロングツーリングが出来ない。 - ハードなところに行きたいけど、購入したマシンがノーマルトレール車なので、故障するリスクが高いことと(マシンが重いので)リカバリーが出来ない可能性がある。
- 保安部品がついてないから、自走で林道やコースに行けない。
- ガレ場やヒルクライムの時に、全然前に進まない。
- 自分の体型にあってないかもしれない。
車高が高いこと、ハンドルの位置があってないなど。 - トレール車でレースに出たいけど、マシンの調整が出来ない。
ということが起こり得ます。
そして、それらの問題を解決出来ず、早々に手放すことになるんですね。
最初のマシン選びの時に、明確に目標を決めるのは、とても難しいことだと思うんですね。
ツーリングするバイクを選ぶのに、ZX-10Rを選ぶみたいな、それくらいズレたマシン選びをすることになりかねないということなんですね。
ということで、そういうことが起きず、また、何に気をつけると、色々な問題を解決出来るのか・・・ということを基準に色々と書いていきたいと思います。
オフロードのツーリングは意外とタイミングが難しい
これがオフ車を買う前と買った後のギャップで一番大きな問題かもしれません。
林道ツーリングに行くためには、林道を知ってる人としか行くことが出来ません。
林道が分からないと、林道には行くことは出来ません。
ですので、自分のタイミングで林道に行くことはほぼ不可能なんですね。
気がついたら1ヶ月の間、どこにも行ってなかった・・・という状態になるんですね。
セローなんかだったらオンロードでも使えますが、レーサーやトライアルを買ってこの状態では寂しすぎることと、何のために買ったのか分からなくなります。
ですので、そういうことがならないように、これらの問題も解決出来るように後述していこうと思います。
オフ車はセルフメンテナンスやカスタムが出来ないとしんどいかもしれない
オフ車はどのようなオフ車であっても、かなりタフにつくられています。
サビや傷など、よほどのモノでない限り、高確率で補修が出来てしまいます。
そもそも、フレームが歪んでたりすると、それはもう別問題ですが、ハンドルが曲がってたり、エンジンのかかりが悪かったり、電気系統がちょっとおかしいかな?であったり、エキパイやサイレンサーに傷が入っている・・・というくらいの問題であれば、ちょっと頑張れば解決できてしまいます。
若しくは、ショップに出せばすぐに解決することが出来ます。
その工数を自分ですることができれば、行ける道の幅が広がりますし、色々とお得です。
ショップに任せると確実に安全なマシンに乗ることが出来ますが、コストがかかることと、カスタムしたい箇所の優先順位が重要になってくる感じです。
マシンによって、取っ掛かり方が変わるので、それらについては後述したいと思います。
どのオフ車にしても共通していえるのは、ツーリングなんかよりも高回転で運転しますので、オイル交換やチェーンのメンテナンスくらいは出来る様になった方が、色々と便利ですね・・・というところなんですね。
それらもショップにお任せしても問題はありませんが、自走出来ないマシンを選んだ時には、全部自分でするか、トランポを用意する必要があります。
ショップに任せたり、トランポを用意したりして、メンテナンスをすると、それだけで1日が潰れてしまいます。
林道に行くタイミングも、そうやって1日ずつ削られます。
自分で夜の間にやってしまうことができれば、休日が潰れることはありませんので、林道に行くことが出来るタイミングも1日分多くなります。
ですので、初歩的なことを自分でやることで、色々と幅が広がります。
オフ車の種類
オフ車の種類は大きくは以下の種類に分類して書いていこうと思います。
トレール車
市販オフロード車のことです。
セローやCRFやKLXなどです。
4stマシン。
車体は重く、130kg超が平均的。
メンテナンスはしやすく、林道に行くだけでもマシンはカスタムしないと、すぐに入院しなければいけないかもしれません。
例えば、klxやCRFのウィンカーは逃げがありません。
岩のあるところで転倒すると、割と高い確率で、ウィンカーのレンズが割れてしまいます。
リアキャリアがあると、それが防げるかもしれません。
セローはウィンカーが潰れないように逃げることが出来るようになっています。
それでも、リアキャリアがある方がウィンカーは守られます。
また、アンダーガードとハンドガードはどのマシンにも必須です。
この二つがないと、取り返しのつかないことにもなりかねません。
トレール車でハードなところにいこうと思うと、カスタムしなければ走破は難しいです。
馬力なども十分ではないため、ヒルクライムに登るとなると、かなり手のこんだカスタムが必須です。
パワーは非力ですが、その辺りは技術と気持ちでカバーというところでしょうか。
カスタムができたマシンであれば、レースにも出ることは可能です。
ですが、上位入賞などは厳しいと思います。
ですが、十分にレースを楽しめるのは間違いないかなと思います。
レーサー
KTMやハスクバーナ、YZやKXなど、モトクロスやエンデューロやハードエンデューロなど、多くのオフロードのレースで利用されているマシンです。
ほとんどが2st。
車重は100kg超くらいが平均。
カスタムはほぼ不要で、最初からそういう目的のためにつくられています。
モトクロスかエンデューロかクロスカントリーか・・・という括りでショップさんに確認すると、きっと素敵な一台が出てくると思います。
KTMやハスクバーナはナンバーつきの車両があります。
他のメーカーはどうですかね?
YZやKXはナンバー付きはありませんので、トランポ必須です。
これらのマシンのタイヤはすぐになくなりますので、自走する時には十分注意してください。
ツーリングや通勤などで使うことは、現実的ではありません。
燃費が気になる方は、手を出してはいけないマシンです。
また、オイルも必須になります。
自走が出来ないので、トランポに乗せて給油するか、携行缶などにガソリンを入れて給油しなければいけません。
パワー十分ですので、扱いには注意しないと、道が細い林道に入ってしまったりすると、結構怖い思いをされること請け合いかなと思います。
足つきは悪いですが、どんどん前に進もうとしますからね、バランスを崩すと大変です。
また、メンテナンスは結構専門性が高くなります。
初心者にはキツいと思います。
トレール車でカスタムに慣れてから行くべき領域かなと感じています。
マディなところからハードなところまで、ほぼ全部行くことが出来ます。
強いて言えば、トレール車で行くような二足二輪で行くと楽しいようなところは、あまり向かないかもしれません。
行けば楽しいのかもしれませんが、それよりも、もっとダイナミックな道を進むためのマシンだと思います。
トライアル車
トライアル車、略して”トラ車”。
車重は70kg超くらい。
パワーも必要十分。
最高速は出ませんが、初速のパワーやトルクを扱えればどこにでも行くことが出来るマシンです。
メンテナンスは専門性が高いです。
初心者にはキツいと思います。
ショップといい関係が築ける方が利用した方がいいと思います。
ナンバー付きのトラ車もあるようですので、ナンバー付きを選んだ方が便利だとは思いますが、それはあくまでコースまで自走する人向け・・・というレベルであって、ツーリングに行くためのナンバーではないという感じです。
タイヤの減りはめちゃくちゃ早いです。
マメな交換は必須です。
ですが、岩場では最強のグリップを見せてくれます。
オフ車で走る道の種類
オンロード(高速や通勤やツーリングなど)
基本的に、トレール車で走行します。
レーサーやオフ車ではいきません。
林道・山道
トレール車で行くことが多いと思います。
林道や山道、、、というと、多くはフラット林道のことを指しているかなと思います。
少々の岩場はあるかもしれませんが、トレール車で十分に行くことが出来る領域かなと思います。
ハードな道(ガレ場・ヒルクライム)
レーサーやトラ車がメインになってきます。
トレール車の場合、カスタムしないと、かなり厳しいことになると思います。
YouTubeにセローでハードなところに行く動画がありますが、あれはカスタムしてるから行けるのであって、カスタムがないとかなり厳しいです。
慣れるだけで行ける道も増えはしますが、基本的には限界があると思っていただいて間違いないかなと思います。
マディ
雨上がりの林道ですね。
エンデューロタイヤを履いたマシンで行くところです。
トラ車のタイヤは、そこまでのマディは想定されていません(と思います)。
トレール車のタイヤも、そこまでのマディは想定されていません(と思います)。
そもそもグリップしないので、技術がかなり重要になってきます。
エンデューロタイヤや高回転で走行するレーサーは、マディをかき分けて進むという感じです。
狙い別オフ車選び
オフ車に乗ってどこ行きますか?という基準で列挙してみます。
フラット林道に行きたい
それならば、セローやklxを選べば間違いはありません。
ハンドガードとアンダーガードをつけて行きましょう。
ウィリーやフロントアップとか、おしゃれなターンをしてみたい
これらをすることをメインで考えるならば、ジムカーナやスタントライディングという手段の方がいいのではないでしょうか?
セローやklxやCRFを購入してジムカーナやスタントライディングで利用すると、目的にあってるような気がせんでもないですね。
違いますかね?
オフロードとはちょっと違うんですが、やりたいことがアクションということでしたら、林道に行く必要はないかなぁ?と思いました。
ちょっとしたガレ場に行きたい
フラット林道の延長くらいかなと思いますので、トレール車で十分かなと思います。
もし、ちょっとしたガレ場がめちゃ楽しいようでしたら、ハードなところに行くための準備をするといいかなと思います。
まだ、よく分かってもないのに、レーサーで林道に行くようなことはあまりしない方がいいかなと思います。
プチクライムくらい登りたい
プチクライムでしたら、トレール車でも行けると思いますので、トレール車でプチクライムを楽しみましょう。
ヒルクライムに挑戦したい
プチクライムをクリアし、もっとハードな坂に登りたいと思われたら、ノーマルトレール車の「ハンドル」「チェンジペダルの位置」「ブレーキペダルの位置」「タイヤ」「フロントスプロケット」を変えて挑戦していきましょう。
前回記事でスタンディングについて色々書きましたが、ヒルクライムに行くためにはスタンディングが出来ないと行けません。
そんな感じです。
レーサーやトラ車でしたら、ヒルクライムはトレール車で行くよりも何倍も楽かなと思います。
ですが、その分の技術は必要になります。
トレール車とは異なる技術が要求されますので、初心者の方にはまずはトレール車で、ヒルクライムは挑戦されるべきかなと思います。
割とハードなガレ場に行きたい
トレール車をカスタムするか、レーサーに乗りましょう。
最初から、”ハードしか行かない”と決めているようでしたら、レーサーを選んでいいかなと思います。
ガレ場は下手すると、マシンを壊しかねないので、その覚悟は必要かもしれません。
岩にマシンをぶつけることになりますからね・・・。
通勤にも使いたいけど、ちょっとしたガレにも行きたい
それならば、セローやklxを選べば間違いはありません。
ハンドガードとアンダーガードをつけて行きましょう。
マディなところやハードなところに行きたい
レーサーを購入しましょう。
あと、この選択は、初心者のする選択ではありませんので、注意してくださいませ。
コースを走りたい(エンデューロ・モトクロス・トライアル)
レーサーやトラ車を購入しましょう。
トレール車でも行けないこともないですが、トレール車ですと、カスタムが必要なことと、かなり修行が必要だと感じています。
コースはある意味でハードな林道よりも競技性が高い道ですので、安全っちゃ安全ですが、難易度は比べ物にならない難易度になっています。
専門性の高いマシンを選ぶべきかなと思います。
あと、トランポ必須になってきます。
個人的に思う”ちょっと違うんじゃない?”的なお話
オフ車の基本はスタンディング?
オフ車はスタンディングが基本・・・と多くの方が言われてるかなと感じています。
しかし、それは、あくまでハードな道を進むためのことであり、二足二輪と言われてるトレール車ですべきことではありません。
二足二輪は文字通り、シッティングで足を使って道を進む走行のことを指しています。
また、トレール車の多くは、スタンディングをした時のボディアクションやブレーキングに最適なポジションになっていません。
トレール車でスタンディングするには、何よりも先にマシンをカスタムする必要があります。
慣れだけでどうにかなることではないので、注意しましょう。
セローはツーリストがベスト?
そんなことはありません。
ツーリスト以外にも優れたタイヤはあります。
コストとライフとグリップのバランスがいいかもしれませんが、他にもたくさんの選択肢があります。
特にトラタイヤは、マディに弱いです。
タイヤを選ぶ時は、行きたいところにあってるかどうか・・・ということを基準にしていきましょう。
初心者が経験者と行く時は、最初に意思表示を!
ぼくは、優しい経験者の方と最初に林道に行けたので良かったです。
めちゃ楽しめました。w
ですので、ガッツリハマることが出来ました。
しかし、多くの初心者は、経験者のハードな走行について行けず、嫌な思いをしたりトラウマになることが多いです。
ですので、林道に行く前から”無理をするつもりはないんです”と、最初に意思表示をしておくことが重要です。
途中で、本格的にキツいと感じたら、怪我する前に引き返しましょう。
無理ならマシンを置いてでも帰りましょう。
ほんと、何が起きても自己責任と言われる世界で誰も補償はしてくれません。
置いて帰ったマシンは、後日、話の分かる人と取りにくる感じでいいと思います。
まずは怪我をせず、無理をせず、楽しくないことはしなくてもいいので、その意思表示をあらかじめしておきましょう。
ただし、自分で喜び勇んで行って失敗して怪我したり、取り返しのつかないことになっても、誰も責任はとれませんので、そこも注意するようにしてくださいませ。
最初にすべきカスタムは?
トレール車を購入した後にすべきカスタムの優先順位を以下に書き出してみたいと思います。
- ハンドガード
- アンダーガード
- ハンドルバー
- チェンジペダルとブレーキペダルの位置の調整
- タイヤ
- (フロント)スプロケットの調整
これらが重要かなと思います。
これらの調整が出来て、初めてスタート位置についたと言っても過言ではありません。
マフラーやエキパイ、部品の軽量化やサス関係など、その辺りはその後の気分次第でいいと思います。w
締め
という諸々を考えた次第でございました。
んで、こういう基準をつくってマシンを選ぶと、より一層楽しめるかな?と思います。
兎に角、「言われてる通りにやっても出来ない」や「コケてから怖くなった」や「オフ車って面白くない」となると、余計にしんどいので、そうならないように、色々考えることができればなぁ・・・と思うんですね。
ぼくは最初”ノーマルのままでハードを走破する!”と訳の分からないことを考えてました。
今はもう違いますが、それでもノーマルのままハードなところに行ったのは、いい修行になりました。
まぁ、何が言いたいかといいますと、、、無理せず適性をつくっていくことで、無駄な怪我をせずに技量もあがっていき、ハードな道も行くことが出来るようになりますよね・・・ということなんですね。w
ちょっとオフロードに覚えがある程度の人の言うことを聞くのではなく、真面目な人の意見に耳を傾ける方がほんとに無駄がないかなと感じています。
間違えた情報を真に受けるのがほんとにしんどいです。
標準セローでスタンディングは想定されていませんし、そんな状態でフロントアップは結構無理あることです。
無理してでもやれば何かを掴める・・・ということを最初によく言われるようですが、人生で大成してなくてバイクにちょっと乗れるだけの人に言われても説得力はありません。
そういう諸々が嫌だったので、ぼくは一人でコツコツとコースで練習をしてるわけですが、そういうのも楽しみ方の一つだと思っていただければと思います。
ということで、オフ車、慣れるとこの上なく楽しいので、是非、参考にしてみていただければと思いました。
長くなっちゃいましたね、すみません。
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